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攻める会社の資金調達方法【デット・ファイナンス(debt finance)編】

資金調達とは

会社を大きくしていくためには
自己資金だけではスケール(会社を大きくすること)に時間がかかる。

そのためお金という資産を使って
スケールの速度を速めていくことが大切。

例えば当社のようなSES(システムエンジニアリングサービス)の会社の場合、 エンジニアを採用して現場に派遣した場合、支払サイトが1か月以上あるので
その間のキャッシュがないと最悪黒字倒産ということにもなりかねない。

手元現金を増やして健全な採用活動を行うことで優秀なエンジニアを
確保できたり、より高単価な現場にエンジニアを派遣できる。

資金調達というのはともすると借金という意味がついてまわり、
あまりいい印象がないというのはもはや時代遅れ。

かのソフトバンクが2009年に2015年までに借金ゼロ宣言をしたのち、
撤回して米スプリント買収をするなど攻めに転じたのも記憶に新しいところ。

ソフトバンク、膨らむ借金「11.6兆円」の重圧 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

経営者ならばキャッシュフローは考慮しつつも、
積極的な資金調達も活用していくべき。

しかし肝心の借り入れにも考慮すべきポイントがいくつかある。
まずはわかりやすく資金調達について論じてみたい。

資金調達には2つの選択肢がある。

会社が資金を調達する場合、大きく2つの方法があります。それは、次の2種類です。
株式を発行することで資金を調達するエクイティ・ファイナンス 金融機関や投資家からお金を借り入れることで資金を調達するデット・ファイナンス

僕の会社のような小さい会社の場合、
エクイティ(株式)を発行して株式を買ってもらう先は主に
ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家が多く、
ことVCにおいてはそのステージによっても異なるが、
多くの株式を持って行かれることが少なくない。

エクイティは「資産」となるので財務面では健全な経営とみなされるが、
議決権を行使されることで積極的な経営の足止めを食らいリスクが増す。

一方で今回のような銀行からの借り入れによって
資金調達をする方法はデット・ファイナンスと言って、
この中にも大きく2つの借り入れ方法がある。

一つはプロパー枠、もう一つは保証枠。

保証枠というのは、保証会社をつけてから借り入れする
借り入れのこと。

例えば銀行への年利2%+保証会社への年利1%とかで
やや割高な年利で借り入れをすることになる。

一方でプロパー枠というのは、
保証会社を挟まず直接銀行から借り入れをする融資の方法。

となれば、デット・ファイナンスにおいては
プロパー枠を積極的にとっていきたい。

しかし現況は保証枠で借りておいてどんどん資金を
投入する会社が少なくない。

国のとしても不景気の際には積極的にお金を
市場に回して景気を上向かせるという方針があるので
国のお金が投入されている保証会社を通した
保証枠付きの融資には積極的になる。

そういう理由で5000万とかは保証会社付きだったら
貸してくれることが多いからそれは自慢にならないし、
そのお金は慎重に使っていくべき。

ではプロパー枠を狙いに行くことはわかったが
そもそもメガバンクは売り上げ3億円くらいないと
そもそもプロパー融資の対象にならないので注意が必要。
その点、地方の信用金庫などはそのハードルは低いので 積極的に出向いてほしい。

また1000万保証枠を付けてくれれば、
1000万のプロパーを貸してもいいよってのも多い。
こういう場合は実績として借りておくのもいい。

例えば信金で保証枠、プロパー枠2500万ずつ
合計5000万の融資を得た場合、
ほかの銀行からの借り入れもしやすくなる。

結局銀行は事業の魅力よりも、
確実にお金が返ってくるかしか考えていないため
本業でのもうけや現在のキャッシュ、
借り入れ実績などを重視しているから。

今度は銀行から見てお金を借りやすい会社について
考えてみたい。

会社が小さいときほど経理は社長自らがやることを
おすすめしたい。

他社や上場企業の決算書が見られるようになる
くらいまで会計業務に理解があれば
おのずと銀行への見せ方も作っていくことができる。

例えば当社はエンジニアの採用に関して助成金
利用しているが、それを今までは営業外収益として計上していた。

エンジニアを採用した結果もらえた助成金という意味では 売上計上すれば、最終的に本業での収益にすることができるので
こういう銀行への見せ方としての財務的な側面で経理をやったほうがいい。